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葉酸と神経の深い関係

葉酸と神経の深い関係

ビタミンB群の一種である葉酸には、様々な働きがあります。

妊娠中の胎児への働きがもっとも有名なところですが、葉酸の働きはそれだけではありません。

実は、葉酸は「神経」と深い関係があるのです。

神経管閉鎖障害のリスク

妊娠中に葉酸を摂るべきだと言われている最大の理由が、胎児の先天性疾患の発症リスクを低下させるというものです。

ここでいう先天性疾患とは、神経管閉鎖障害のことをいいます。

神経管閉鎖障害とは、神経管の細胞の一部がふさがれてしまい、脳や脊髄が正常に発達・成長できなくなってしまう障害です。

神経管というのは脳や脊髄の基礎となるもので、胎児が成長していくためにはもっとも大切だと言えるかもしれません。

神経管閉鎖障害は、神経管の「どこが」ふさがれるかによって2つの病名に分けられます。

二分脊椎症

二分脊椎症は、神経管の下部がふさがれてしまうものです。

そのため、下半身麻痺や歩行障害、排泄障害、性機能障害などが出ることがあります。

下半身へと続く神経に信号が送られないわけですから、上記のような症状が出るわけです。

神経管のどのあたりがふさがれてしまうのかによって、どんな障害が出るかは分かりません。

これは、産まれるまで分からないそうです。

無脳症

無脳症は、神経管の上部がふさがれてしまうものです。

脳が育つことができません。

無脳症は、脳以外の臓器に異常がないことが多く、胎児は健康な子と変わらずにおなかの中で成長していきます。

しかし、脳がなければ生きることはできません。

そのため、無脳症の子どもは無事に産まれることはなく、流産または死産となります。

このような神経管の異常というのは、だいたい妊娠8週目頃にはすでにできあがっています。

神経管が作られるのが妊娠してから比較的早いからです。

そんな神経管閉鎖障害は、だいたい妊娠4ヶ月頃にはエコーで発見することができます。

とはいえ産まれるまで何もできることはなく、出産と同時に治療や場合によっては手術が行われることになります。

神経管閉鎖障害は、遺伝であることもあるのですが、多くは母親の葉酸不足だと言われています。

葉酸はDNAを合成して、細胞分裂を促す働きがあります。

葉酸が足りないとDNAがきちんと作られず、細胞分裂も正常には行われなくなります。

そのため神経管が作られる際に「異常」が出てしまうことがあるのです。

妊娠前から妊娠初期にかけて葉酸を十分に摂取していれば、神経管閉鎖障害のリスクは70%~80%も軽減することができるのです。

先ほどお話ししたように、神経管は妊娠8週目頃にはすでに完成しています。

つまり、神経管閉鎖障害のリスクを減らすためには、それよりも前から葉酸を摂らなければ意味がないということです。

妊娠中における葉酸の効果や働きは「神経管閉鎖障害のリスクを減らす」ことだけではないのですが、神経管閉鎖障害のリスクという点で考えますと、妊娠がわかってから(気づいてから)葉酸を摂取し始めるのでは遅すぎます。

神経管閉鎖障害のリスクを軽減したいのなら、妊娠を計画し始めたときから葉酸を摂るようにしましょう。

葉酸で神経伝達物質の分泌をサポート

葉酸は、妊娠中にだけ必要なものではありません。

うつ病の予防や改善にもおすすめなんですよ。

葉酸は、神経伝達物質であるセロトニンの分泌を促します。

葉酸がないとセロトニンは作られないと言われており、うつ病の人はセロトニンの分泌が健康な人よりも少ないそうです。

セロトニンは精神を安定させるためにも欠かせない神経伝達物質です。

セロトニンが少ないと精神的に不安定になったり、不眠などの症状が出やすくなります。

普段からメンタルが弱いなぁと感じている人ならなおさら、葉酸をしっかりと摂るべきだと思います。

先ほど、葉酸には細胞分裂を促す働きがあるという話をしました。

これは、神経細胞に関しても同じです。

葉酸は神経細胞を修復する作用もあるのです。

そのため、認知症の予防にも葉酸は効果があるんですよ。

認知症は、血液内のホモシステインというアミノ酸が増えることと、脳の神経細胞が傷ついてしまうことが原因だと言われています。

もちろんすべての認知症の原因がそうではないのですが、これらの原因に対して効果を発揮するのが葉酸です。

葉酸には神経細胞の修復作用がありますし、ホモシステインを代謝して減少させる働きもあるのです。

葉酸をしっかり摂取している人は、認知症になりにくいというデータもあるんですよ。

葉酸を摂るならサプリメントがおすすめ

葉酸は食事からも摂ることはできますが、吸収率などの点から「食事のみ」で十分な量を摂ることは難しいとされています。

ですから、葉酸はサプリメントから摂取することをおすすめします。

サプリメントの葉酸は体内で吸収されやすい形に加工されていますので、食事よりも効率よく葉酸を摂取することができますよ。

妊娠中は神経管閉鎖障害の予防、そうでない人はうつ病の予防や認知症の予防に葉酸は効果的だと言えそうです。

葉酸はビタミンB群なので、単体で摂るよりも他のビタミンB群やビタミンCなどと一緒に摂ることで、より高い効果を発揮することができます。

サプリメントを選ぶときには、葉酸のみのものではなく、ビタミンB群やビタミンCが配合されているものを選ぶことをおすすめします。

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