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食品の葉酸は加熱するとどうなる?

食品の葉酸は加熱するとどうなる?

葉酸は水にも熱にも弱いので食品から摂取は難しい

葉酸は、ビタミンB群の一種です。

ビタミンには大きく分けると「油に溶けるもの」と、「水に溶けるもの」があります。

脂溶性ビタミンと、水溶性ビタミンです。

油に溶けるものは熱に強く、水に溶けるものは熱に弱いという特徴もあります。

葉酸はビタミンB群で水溶性ビタミンですから、熱に弱く、水にも溶け出してしまいます。

これは、食品を調理する過程で失われやすい栄養素である、ということを示しています。

なぜなら、私たちは野菜や肉を食べるとき水にさらしたり火を通したりするからです。

ここでは、食品に含まれる葉酸は、加熱するとどうなってしまうのかまとめてみたいと思います。

ではまず、葉酸がなぜ必要なのか、そして葉酸は1日にどのくらいの量を摂らなければならないのか、からお話ししましょう。

葉酸は、ビタミンB12と一緒に「赤血球を作る」という働きがあります。

そのため造血ビタミンとも呼ばれているんですよ。

葉酸が足りないと赤血球が作られなくなり、貧血の症状が出始めます。

他にも、葉酸は細胞分裂を促進する働きがあります。

特に重要なのが、妊娠中に胎児の細胞分裂を促進する、ということ。

赤ちゃんは、おなかの中で成長していきます。

このとき、妊娠8週目くらいまでに脳や脊髄などの神経細胞は作られることが分かっています。

赤ちゃんの先天性の障害リスクを低下させるためにも、特に妊娠初期に葉酸は必要だと言われているのです。

もちろん、葉酸は他にも動脈硬化の予防や精神安定など様々な働きがあります。

そんな私たちの健康維持に欠かせない葉酸ですが、1日にどのくらいの量が必要なのでしょうか。

一般的な成人男女の場合、1日の推奨量は240μgです。

妊娠中の場合は、その倍である480μgが推奨量とされています。

葉酸を多く含む野菜、ホウレン草

葉酸は、緑黄色野菜に多く含まれることがわかっています。

その中でも含有量が多いことで知られるのが、ホウレン草です。

実は、葉酸はホウレン草の葉から発見されたという歴史もあるんですよ。

そんなホウレン草には、100gあたり210μgの葉酸が含まれています。

これは、生の状態です。

しかしホウレン草をゆでると、その葉酸含有量は110μgまで減少してしまいます。

およそ半分になってしまうんですね。

ホウレン草を食べるとき、通常は水に浸してゆでると思います。

ゆでる時間が長ければ長いほど、葉酸は失われていくと言われています。

10分間ゆでると、だいたい葉酸は65%ほど減少します。

では、どのような調理をしたら葉酸をしっかりと摂取することができるのでしょうか。

  • できるだけ生で食べる
  • さっと短時間で炒める
  • ゆでるより蒸す

このような調理法でも葉酸は失われてしまいますが、ぐつぐつと煮るよりは葉酸を残しておくことができるでしょう。

ただ、スーパーに並んでいるホウレン草は、その時点ですでに洗浄されていることが予想されます。

残念ながら、お店に出ている時点で、葉酸は失われている可能性が高いのです。

レバーに含まれる葉酸は?

レバーは、他のどの食品と比べても葉酸量は豊富です。

だいたい鶏レバー100gあたり、1300μgも葉酸が含まれているんですよ。

この数字だけ見ると、妊娠中でも1日分の推奨量を軽く越えることができます。

圧倒的に多い!と思いますが、ここでも1つ問題があります。

それは、レバーも加熱しなければならない、ということです。

ホウレン草なら生で食べることもできますが、さすがにレバーは生では食べられません。

実はレバーの葉酸は、加熱することでかなりの量が失われてしまいます。

1日に必要な葉酸をレバーから補うのなら、相当な量のレバーを食べなければなりません。

しかし、レバーには葉酸以外にも様々な栄養素が含まれています。

妊娠中に特に気になるのが、ビタミンAです。

ビタミンAは葉酸とは違って脂溶性ビタミンであるため、体内に蓄積されていきます。

妊娠中にビタミンAを過剰摂取してしまうと、胎児の奇形リスクが高まることが分かっています。

レバーを食べる場合は、週に1~2回ほど、1回に60g程度にしておきましょう。

この量では葉酸を補うことはできませんが、これ以上摂るとビタミンAの過剰摂取が懸念されます。

お店に売られているレバーペーストは、100gあたり140μgの葉酸が含まれています。

バケットなどに塗って火を通さずに食べれば、摂取できる葉酸の量は増えます。

ただ、レバーペーストの場合もビタミンAの過剰摂取には気を付けてください。

食品のみで葉酸を摂るのは難しい

葉酸は水にも熱にも弱いので、食品のみで1日の必要量すべてを補うのは難しいと言わざるをえません。

しかも葉酸は不要な分は尿として排出されるため、体内に蓄積しておくことはできません。

つまり、毎日240μg(妊娠中なら480μg)分の葉酸を摂取しなければならないのです。

これは、想像以上に大変なことだといえます。

食品の葉酸は体内での吸収率も低いので、さらにたくさん食べる必要があります。

食生活を改善することは大切ですが、無理をせずにサプリメントから葉酸を摂取するのもおすすめです。

サプリメントの葉酸なら吸収されやすいので、確実に葉酸を摂取することができるでしょう。

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