避妊をせずにセックスをすれば赤ちゃんができる、そう思っている人は意外に多いです。確かに、避妊をしていれば赤ちゃんはできません。だからといって、「避妊をしない=妊娠」ではないのです。
自然妊娠で授かり出産をしている人のほうが圧倒的に多いのは事実ですが、ここ数年、なんらかの方法で「不妊治療」をしている人も増えているんですよ。
これには、近年問題視されている晩婚化も影響しているのでしょう。年齢が上になればなるほど、妊娠はしにくくなるのですから。
今は、30代後半や40代で妊娠を望む人も少なくありません。妊活や不妊治療は、もはや身近なものとなってきているのです。不妊の改善には、まず内服薬を用いることが多いです。
もちろん病気がある場合などは別ですが、特に病気もなく、ホルモンバランスの乱れが不妊の原因となっている場合には、薬を使った治療から始まることが多いでしょう。
そんな薬のひとつが、「ルトラール」です。
ルトラールは合成の黄体ホルモン
ルトラールという薬は、黄体ホルモンを補うための薬です。
女性のからだは、排卵日から生理までの期間は黄体ホルモン「プロゲステロン」が、生理から排卵日前までの期間は卵胞ホルモン「エストロゲン」が優位な状態になっているのがふつうです。
黄体ホルモンと卵胞ホルモンをまとめて女性ホルモンと呼んでいます。黄体ホルモン優位の時期には基礎体温は高温期に、卵胞ホルモン優位の時期には低温期になっているんですよ。
しかし、不妊で悩む人の大半は、基礎体温が高温期と低温期に分かれていません。境目がいまいちはっきりしないことが多いのです。
妊娠するためには、排卵日のあとから続く高温期が、ずっと続くことが必須条件としてあげられます。これには、黄体ホルモンの分泌が欠かせません。
しかし、妊娠できない人は黄体ホルモンの分泌が少ない傾向にあります。
せっかくタイミングを合わせて受精卵になっても、黄体ホルモンが少ないために着床することができないのです。ルトラールは、そんな「黄体ホルモンの分泌が少ない人の妊娠を助ける」ためのお薬なんですよ。
黄体ホルモンを補うことで
- 生理周期を整える
- 妊娠の可能性を高める
- 妊娠を継続する
といった、不妊改善の効果が期待できるでしょう。よく勘違いされるのが、「ルトラールを飲むと高温期になる」「ルトラールで基礎体温が上がる」というもの。
実は、ルトラール自体に「体温を上げる」という働きはありません。
ルトラールを飲むと基礎体温が上がるのは、ルトラールによって黄体ホルモンが増え、女性ホルモンのバランスが整うからなのです。
ルトラールに副作用はある?
不妊の改善のためとはいえ、薬を飲む以上気になるのは「副作用」です。ルトラールは不妊治療では比較的処方されやすい薬ですが、もちろん副作用はあります。そこまで重篤なものはありませんが、ルトラールの副作用は多くの人が感じているものなんですよ。
ルトラールの副作用
吐き気
下痢
頭痛
イライラ
だるさ
眠気
などが挙げられます。この中でも、もっとも多くの人が感じているのが吐き気です。
もう気づいている人もいるかもしれませんが、ルトラールの副作用は「生理前」や「妊娠初期」に感じる症状とそっくりですよね?
https://twitter.com/elilly_mam/status/819556643226591234
生理前や妊娠初期の症状は黄体ホルモンによるものなので、ルトラールでこのような症状が出るのは当たり前といえば当たり前。
また、ルトラールを飲むと「高温期が続く」「生理が来ない」という人も多いです。それはなぜなのでしょうか。ルトラールは黄体ホルモンなので、飲み続ける限り高温期は続きます。つまり、ルトラールを飲んでいる間は生理は来ないということ。
ルトラールのみ終わっても相変わらず生理が来ないので焦れったさMAX!!
— あおい (@aoixdiary) January 12, 2017
生理予定日だけどルトラール飲んでるから遅れる。このまま来なきゃいいのにな_(:3 」∠)_
— まあ☻︎◡̈⃝︎⋆︎*妊活 (@53218ma) January 10, 2017
いつもより、体温が高いのは
ルトラールのせいなのか
どうなの( .. ) pic.twitter.com/1KHg13Z9sW— YOKO S (@atashidocchida) January 8, 2017
何日分のルトラールが処方されるかは医師によりますが、だいたい10日~15日分が処方されることが多いんですよ。しっかりと処方された分を飲むことで、妊娠へと近づくことができるでしょう。
ルトラールは合成の黄体ホルモンであるため、高温期が続いているからといって妊娠検査薬に陽性反応が出ることはありません。
つまり、ルトラール服用中に妊娠検査薬に陽性反応が出たときは、十中八九妊娠していると言えるのです。
ルトラールと葉酸サプリは併用するべき!
ルトラールは、排卵日から14日近くを目安に飲むことになります。
もしも妊娠できていた場合、着床するのは排卵日から7日~10日後と言われています。実はこの時期には、赤ちゃんの神経管と呼ばれる組織が作られる時期でもあるんですよ。
もしもこの時期に葉酸が不足していると、神経管が作られるときに細胞分裂が失敗することがあり、二分脊椎症などの障害になるリスクが!
葉酸サプリを妊活中から飲むように言われているのは、赤ちゃんの先天性の障害リスクを減らすためなんですよ。
神経管は着床したあとすぐに作られるので、妊娠検査薬で反応が出てからでは間に合いません。ルトラールと葉酸サプリの併用は問題ないので、しっかりと飲むようにしましょう。
葉酸には着床をサポートする働きもありますから、ルトラールと併用することで妊娠力も高まると言えそうですね。
ルトラールと葉酸のまとめ
ルトラールは、不妊治療の初期に処方される薬です。薬を飲み続けなければならないのは、身体的にも精神的にも負担がかかるものです。
しかし、ルトラールを飲むことで妊娠できるなら、もっと辛い不妊治療は行わなくてすむ、ということ。ルトラールを飲む時期は葉酸サプリがもっとも必要な時期でもあります。
赤ちゃんが健康に育つためにも葉酸は必要不可欠ですから、サプリメントから確実に補うようにしてくださいね。