なぜ葉酸はむくみの改善にも原因にもなるのか？

インターネット上には

というまったく真逆の意見が見られます。そもそも葉酸というのはビタミンの一種なのですが、「むくみ」とはどのような関係があるのでしょうか。

むくみはリンパの流れが滞ることで起こる

むくむは、男性より女性に圧倒的に多く見られます。それは、女性のほうが筋肉が少ないからです。血液というのは、心臓から出ていき、また心臓へと戻ります。

心臓がポンプの役割をしているわけですが、心臓よりも低い位置にある組織まで運ばれた血液は、再び心臓に戻るためにはどうしたらいいのでしょうか。

このとき心臓の「ポンプ」と同じ働きをするのが筋肉なのです。もっともむくみの症状が出やすい「ふくらはぎ」を例にしてみますと、心臓から送り出されて足のつま先までめぐった血液は、ふくらはぎの筋肉の働きによって、再び心臓へ向かうわけです。

男性の場合はふくらはぎの筋肉が発達していることから、むくみが出ることはほとんどないでしょう。

しかし、筋肉の少ない女性は、立ち仕事や歩きっぱなし、ヒールのある靴などの影響で、ふくらはぎがポンプとしての機能を十分に使うことができなくなってしまうのです。

筋肉がパンパンに張っている状態では、それ以上の仕事をこなすことができません。筋肉の流れが悪くなると、当然「血行不良」に陥り、「冷え」の症状が出始めます。冷えているところは血行が悪いだけでなく、リンパの流れも悪くなってしまいます。

これが、むくみが起こるシステムなんですよ。

血行不良になりにくい男性のほうが、むくみが起こりにくいということが分かったと思います。そんなむくみになってしまう原因といって、一番最初に思い浮かべるのが

この2つでしょう。

これらはどちらも、むくみを招く最大の原因でもあります。そしてさらに女性の場合は、女性ホルモンの影響でもむくみやすくなってしまいます。

排卵のあとから生理が終わるまでの間に分泌量の増える「プロゲステロン」には、水分を溜め込むという性質があるのです。いつもと同じような食事をしているのに、生理前になるとむくみが出るのはこのためです。

では、むくみを改善するにはどうしたらいいのでしょうか。むくみが起こる原因が「血行不良」なわけですから、血行を良くしてあげればいいのです。そのためには適度な運動やストレッチも効果的ですが、ここでは「葉酸」という栄養素に注目してみましょう。

葉酸はビタミンB群の一種で、水溶性のビタミンになります。葉酸を含むビタミンB群には、むくみを改善する効果があることを知っていますか？

これは、ビタミンB群に代謝を促進したり、血液を作るという働きがあるためです。葉酸は、「血液を作る」という働きに大きく関係しているんですよ。葉酸とビタミンB12には赤血球を作り、血液を増やすという働きがあります。

血液が増えればその流れもよくなりますから、必然的に血行不良を改善することができると言えるでしょう。そのため、葉酸を摂ることでむくみの改善につながるのだと言えます。葉酸というと、「妊娠中に摂るもの」というイメージが強いのではないでしょうか。

これは、妊娠初期に葉酸が不足すると、赤ちゃんに障害や奇形のリスクが出るためです。リスクを減らすためには、葉酸をしっかりと摂る以外に今のところ方法はありません。

このことから、葉酸＝妊娠と思うのでしょう。

妊娠初期に葉酸が必要なのは先ほどお話しした「赤ちゃんの障害リスクを減らすため」ですが、葉酸は妊娠初期以降も摂り続けることをおすすめします。

妊娠後期になって赤ちゃんが大きくなると、ママの血液の量は一気に増え、それに伴ってむくみも出やすくなるからです。

妊娠中のむくみを放っておくと、妊娠中毒症の1つである妊娠高血圧症候群などになることもあるんですよ。

こうなると赤ちゃんに十分な酸素や栄養がいかなくなるため、最悪の場合は死産ということもあり得るのです。むくみを防ぐためにも、ぜひ葉酸サプリは飲み続けることをおすすめします。

むくみを改善する効果があるならと、1日の摂取量以上の葉酸サプリを飲むことは、絶対にしてはいけません。

葉酸がむくみの原因になると言われている理由が、ここにあります。サプリメントなどの合成葉酸のうち、石油などの化学物質を使って作られた葉酸を大量に飲むと、吐き気や食欲不振、むくみなどの症状が出ることがあるのです。

葉酸は本来ならばむくみを改善する立場のものですが、摂り方を間違えるとむくみの原因にもなってしまうのですね。

もともと葉酸は水溶性のビタミンであるため、たくさん摂ったとしても意味はありません。不要な分は体外に排出されてしまうからです。普通に量を守って飲んでいるのなら、むくみの原因は葉酸サプリではないので安心してくださいね。

葉酸とむくみの関係についてご紹介してきました。葉酸はむくみを改善する効果のあるビタミンですので、妊娠中かどうかに関わらず、積極的に摂ってほしいと思います。

ただし、たくさん摂れば効果が出るというものではありませんので、きちんと使用方法を守って飲むようにしてくださいね。